年祝い
長寿を祝う儀式を「年祝い」といい、広く解釈すると幼児期から始まる人生儀礼も含まれていますが、通常は還暦以降のお祝いをさします。干支は六十年で一巡し初めに戻る、つまり暦がもとに還り生まれかわるとも考えられており、回帰発展の意味も込められています。
この祝いは、大陸から伝わった風習が日本化されたもので、古来より十年毎に行われる算賀年寿のお祝いでもあります。
それぞれの年齢にあたる年に、神様から与えられたこれまでの延命長寿に感謝し、さらなる健康と長生きをお祈りし、お祓いを受けて家族や親族でお祝いされると良いでしょう。
年祝いの年令と呼称のいわれ
還暦 | 61歳 | 令和39年/1964年 | 生れた年の干支が六十年でひと回りし同じ干支に還ることから、「本卦還り」 ( ほんけがえり ) ともいわれます。 この祝いの時に、赤頭巾やちゃんちゃんこなどを着せるのは、赤は厄除の色であるのと同時に、赤ちゃんに還るという意味もあります。 地方によってはこの年を「厄年」と捉えるところもあるようですが、熊本ではお祝いの年と考えるのが一般的です。 |
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古稀 | 70歳 | 昭和30年/1955年 | 唐の詩人の杜甫 ( とほ ) の詩の一節に「人生七十古来稀なり」にちなんでつけられました。その昔「人生五十年」といわれていた頃は、七十歳まで生きるのは稀だったのでしょう。 |
喜寿 | 77歳 | 昭和23年/1948年 | 「喜」の字を草書体にすると「七十七」と書くことからつけられました。 |
傘寿 | 80歳 | 昭和20年/1941年 | 「傘」の字の略字が「八十」に似ていることからつけられました。 |
米寿 | 88歳 | 昭和12年/1937年 | 「米」の字をわけると「八十八」になることからつけられました。 |
卒寿 | 90歳 | 昭和10年/1935年 | 「卒」の字の略字「九十」と読めることからつけられました。 |
白寿 | 99歳 | 大正15年/1926年 | 百から一を取ると「白」になることから、白は「九十九」に通じるということからつけられました。 |
一般的には「年祝い」のお詣りをされるのは、昔から6月1日が多いようです。それは、還暦の61歳の6と1の数字にちなんで、他の年祝いもこの日に行うようになったといわれ、または、人も脱皮して生まれ変わるのが6月1日だという考え方が古くから日本にあって、この日を「ムクのツイタチ」と呼んでいたという民俗学的な説もあります。
現在は、この日だけにこだわらず本人の誕生日や、年祝い以外の年齢でも「長寿感謝」の参拝をされる方もいらっしゃいます。
当神社では、長寿健康守と厄除長寿箸を 授与致しております。
数え年について
これらの人生儀礼などを含めて年齢の数え方は「数え年」で行うのが通例です。それは、我が国ではお正月に各家庭で「年神様」を迎える風習があり、新たな年の五穀豊穣と家族の幸せとを祈る大切な行事だと考え、その時に家族揃って一歳ずつ年をとるとされていたからです。
また、以前の日本には「零」の概念がなく、赤ちゃんは母体に宿った時から生命が誕生していると捉えて、生れた時点で一歳と数えていたことなどからきています。
神社では、このような日本の伝統的な考え方を大事に継承していることから、現在でも「数え年」を尊重しています。