大祓式
大祓式(茅の輪くぐり)
大祓とは古来より行われてきた祓いの神事であり、それは日本神話の伝承に基づくものであります。日常生活の中で気づかない間に身に振りかかった罪や穢れ、また災いや過ちを祓い清め、清々しい気持ちで日々を過ごすための神事です。
神社ではこの大祓の神事を年に二回、六月の「夏越の大祓」と十二月の「年越の大祓」の両晦日夕刻に行っております。
夏越の大祓の神事は、一月からの半年の罪穢を祓い、残り半年の無病息災を祈るもので、六月三十日の午後三時より斎行されます。神職が参列者に向かい大祓詞を宣り、この後に切麻祓を行います。これは参列者に祓具である御幣と切麻をお配りし、この御幣で自分自身を祓い、麻や白紙を細かくした切麻を振りかけてお清めいたします。
茅の輪をくぐる参拝者
この後、拝殿から神職以下参列者も一旦出て、参道に設けた茅輪を一同列になってくぐり抜ける「茅輪くぐり」を行います。くぐり終えたら再び拝殿内へ入り神事に臨み、こうして一連の大祓式を終えます。
この「茅輪くぐり」の神事は御祭神であられる須盞嗚尊が御創始され、無病息災・延命長寿を祈願するものであります。 尚、「茅輪くぐり」は六月三十日の大祓式後より午後九時までと、翌七月一日の午前六時より午後七時まで各自行うことができます。
「茅の輪御守」と「人形」
また夏越の大祓では、当日拝殿前にある茅でできた舟で包まれた木箱に、事前にお渡ししていた「人形(ひとがた)」をお納めいたします。これは人を模して描かれた身代わりであり、名前と年齢等を記入し、これで体を撫で息を三度吹きかけ罪穢をのり移させて木箱の中に各自お納めします。この人形は本来、神事後に茅の舟に乗せ川に流して祓い去っておりましたが、現在ではそれが困難となり、後日お焚上げを行い河原にお納めしております。